はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2011.07.29

肺水腫後の透析

透析患者さんが呼吸困難で入院される病気の一つに”急性肺水腫”というものがあります。

急性肺水腫は肺の中に水(血液)がたまり、十分な酸素が吸えず苦しくなる病気です。

体重増加が多い時や血圧上昇などが原因となります。

発症しやすい時期は2日間透析が空いた日です。
月曜日が透析日であれば日曜日に肺水腫は発症しやすいです。
自分の経験でもそうですし、データでもそうあります。

1度肺水腫を起すと、再び生じる可能性があります。
入院中に血圧管理や塩分管理の指導を行いますが、一旦心臓の機能が落ちてしまった場合はまた水がたまる可能性があります。

肺水腫や心不全の繰り返しは心臓の機能が悪くなる一途をたどるので何とか早めに食い止めなければなりません。

そこで考えたのが中2日を開けない週4回透析です。
2日あけると塩分や水分負荷で肺水腫になりやすいという事実から考えるとその間に1回透析した方が肺水腫の再発は防げると考えます。

時間延長も一つの選択肢だと思いますが、より確実な方法は透析の回数を1回増やした方がより体への負担は少なくなります。

患者さんには必要性をキチンとお話をしなければなりません。

透析には1カ月の限度数はありますが、患者さんを再び苦しめないようにするためには限度を気にせず考えなければいけない時もあると思います。