はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2011.07.30

透析時間

5時間透析をしている患者さんが透析間体重増加が多く、週初めに6時間透析を行いました。

そうすると
「5時間と6時間は全く違う。6時間は勘弁してほしい。」と。

長時間透析について考えてみましょう。

透析が長ければ長いほど血液だけではなくて細胞やその間の間質もきれいになっていきます。
もちろん時間当たりの除水量も少なくなるので血圧は下がりにくくなります。

透析学会のデータでも4時間透析の方に比べて5時間透析や6時間透析の方が長期予後(長生き)が良好でした。

長時間透析もメリットは大きいです。尿毒素の抜けもよくない、栄養状態も上がり、血圧も下がりにくくなる可能性があります。

しかし患者さん側からするとややしんどいのかもしれません。

今回も増加量が多いとはいえ、いきなり1時間追加したのは患者さんにはきつかったのかもしれません。30分ごと、あわてずにやれば結果は違うのかもしれません。

ただいえるのは
「透析時間ありきで除水スピードをあげてしんどくなるのであれば、除水スピードを上げずに時間を延長した方がよっぽど患者さんのためになる」
と思います。

透析時間に関しては単なる時間延長というわけではなく、患者さんの要望、透析や送迎のスケジュール、診療時間などその他にも様々な影響する因子があります。どうすれば患者さんのためになる透析ができるか手腕が問われます。