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院長の臨床メモcolumn

2011.11.08

透析患者さんにエルカルチンを処方して(使用経験)

透析患者さんが困る症状にこむら返りがあります。

これまではツムラ芍薬甘草湯を使用していました。

症状が強く、頻回にこむら返りを起こる方に最近はエルカルチンを積極的に投与しています。

透析患者さんの場合、薬剤添付文書で慎重投与となっていますので300mg錠を6錠/分3で処方しています。

最高は12錠までですが6錠以上は出したことがありません。

印象としてはこむら帰りの頻度は大きく減少し、程度もかなりましになるように思えます。

副作用も食欲不振、下痢、軟便がありますがこれも出現していませんし、安全性も高い印象を受けます。

エルカルチンはサプリメントとしても有名であるので患者さんの受け入れも良好です。

カルニチンは大部分は肉食(山羊、小ひつじ、牛肉)に含まれているのでどうしても透析の方は摂取は少ないと思います。

それに加えて、カルニチンは腎臓でも合成されている物質ですし、透析からの喪失もあるようなので透析されている方は余計に体内のカルニチンが少ないといわれています。

期待されるものとして。。
①こむら返りの減少
②貧血の改善
③心筋代謝の向上
④ダイエット(脂肪の燃焼を促進するため)
⑤持久力の向上
⑥アルツハイマー予防
⑦抗酸化作用(細胞の老化抑制)

などまだ他にもあるかもしれません。

保険病名はカルニチン欠乏症。

しかしカルニチンの血液での測定は保険では認められていません。

ですからカルニチン欠乏をしている症状があれば使用できるということになります。

透析患者さんは上記の理由から欠乏している方が多いと思います。

薬の量が増えますが、ツムラをよく内服していたり、こむら返りで困っている方がいれば試されてもいいと考えています。