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院長の臨床メモcolumn

2012.03.31

週4回透析頑張りましょう。

当院で透析中の患者さんがいます。

当初4時間透析でしたが、非常に心臓が悪い患者さんで心臓の手術をしたり、ペースメーカーも入っています。

血圧は常に90台ですし、心臓の大きいですし、さらに体重制限が透析導入前から守られてなかったということから4時間透析では体に良くないと思っていました。

他院で血液透析を導入し、当院に来られて比較的早期に5時間透析を勧めました。

体重増加が多く十分な除水ができないということはもちろんながら、一番は心臓の筋肉(心筋)を守ることにありました。

透析時間が長いほど、心臓の筋肉の尿毒素が除去され、心臓自体の動きはよくなります。

その結果、心臓はよく動き、体力がついてきます。

そうなると栄養摂取も運動昨日も自ずと上がってきます。

ということで5時間透析週3回をしていました。

あえてDWを設定せず、1時間当たりの除水量のみを設定し、血圧などを注意しながら水を引いています。

透析回数が増え、徐々に意識されて、水分摂取量も減ってきました。

よく努力されています。

しかし心臓はなかなか良くはなりません。

2日あきの時はしんどくて、つかれやすいという自覚もあります。

5時間週3回ではこの患者さんにおいては水分除去はさることながら、尿毒素の排泄は不十分と判断しました。

心臓エコーでの心臓収縮率、血液検査での透析効率を含めて考慮し、患者さんにご相談しました。

次の考えとして、

①6時間週3回

②4時間週4回

どちから頑張りましょうと伝えました。

透析量の一つの指標としてHDPというものがあります。

現在5時間×週3回=3の二乗×5=45

では①②ではどうなるか?

①6時間×週3回=3の二乗×6=54

②4時間×週4回=4の二乗×4=64

となります。

HDPが多い方が透析量が多く、心臓にもいいということは明らかです。

また2日あきの自覚症状の苦しさから2日あきを作るべきではないと考えていました。

しかし、これは患者さんに考えて頂きました。

患者さんは6時間透析という長時間に耐えれないということと、2日あきの時にしんどくなるということから②4時間×4回を選択されました。

治療回数がふえることは患者さんの生活がどう影響を与えるのかはきになりますが、体にとってはすごく大切な決断をされたと思います。

きっと患者さんの症状が軽くなり、心臓検査、心胸比、血液検査(BNP)も良くなってくれると信じています。