はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2012.04.10

血液透析(HD)をしていた患者さんが腹膜透析(PD)へ

以前から数回シャントの話ででてきた患者さんがついにPDを選択されました。

理由としては繰り返す人工血管感染。

他院で通院中の方ですが、この1年間は繰り返す感染で何度も顔を合わせることが多かったです。

入院で。

手術をしても感染を繰り返す、感染しない場合は人工血管閉塞をしてしまう。

本当に辛そうでした。

今回も左側で前回使っていた動脈-静脈グラフトが感染し、もともとあった動脈-動脈グラフトに続発的に感染してしまいました。

人工血管が感染するとグラフトを抜去しなければなりません。

抜去するとどこかに再度作る必要があります。

つくってもまた感染するでしょう。

以前のゴッドハンドの先生と相談し、これ以上のグラフト作成は危険なので、腹膜透析を考えようということになりました。

患者さんはしっかりされており、理解もされている方でPDはできそうです。

残念ながら当院ではPDができる体制ではないので近隣の医療機関に相談しました。

快く引き受けて頂き、来週転院となります。

このような形でHDからPDになったのは初めてです。

患者さんはまた一からのスタートになりますが、感染や閉塞への恐怖感が強く、それがなくなると思えばよかったのではないかと思います。

しかしPDが一生ものではありません。

患者さんには腎移植を今後考えて頂くようお話をしました。