はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2012.04.20

むくみでこられた患者さんに(漢方薬著効例)

夕方になるとむくみやすくなって。。

腎臓病が心配で来院された60代台の男性がいらっしゃいました。

診察時は浮腫はありませんでしたが、仕事になるとむくんで、休んでいるとむくみはないということでした。

尿検査、血液検査に異常はなく、血圧も上昇していませんでした。

お聞きすると疲れがたまっていて、夜も遅くて、時に息切れや動悸もあるということでした。

また、食べると疲れるので食べない時があるということでした。

この方のむくみの原因ですが、腎臓病や心臓病ではありません。

おそらく体のエネルギー(気)が不足しているものと思います。

気が不足しているので、食べるだけでも疲れてしまいます。

また気が不足すると、血液の流れも悪くなって息切れや動悸がします。

加えて、「水の巡り」が悪くなり、むくみが発生します。

このような方の場合はまず『気』の補充に補中益気湯を処方し、気にされているむくみに対しては五苓散を加えて処方しました。

すると体の調子も良くなり、むくみが取れたようです。

以前の私ならよくわからないむくみに対してラシックスなどの利尿剤を処方していました。

ラシックスは強制的におしこっこ出すので脱水やバランス異常や尿酸上昇をきたす恐れがあります。

ですから「あまり処方したくないなあ」と思いつつ、他に思いつく処方がなかったので処方していました。

五苓散は強制的に利尿するわけでもなく、副作用もほぼなく、いいお薬です。

やはり漢方は今までよくわからなかったところまで届く治療法の一つです。

現代医学を基本として漢方薬を共用するといいことも多いと思います。

もちろん、このような方には塩分過多が多いので注意するよう伝えました。