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院長の臨床メモcolumn

2012.06.14

日本透析学会は規模が大きい

日本透析学会は日本最大級の学会です。

発表は一般演題だけでも1800演題を超える発表があります。

その他にも偉い先生方の講演や教育講演などもあります。

それを3日間で行うのですから大会を担当されている方々は本当に大変だと思います。

抄録(400字程度で発表内容をまとめるもの)の作成だけでもすごい。

1000ページ以上あり、なんと冊子の厚さが4cm!!

これを学会会場に持って行って、移動するのはかなり体力勝負です。

時間がある時にパラパラ見ていますが色んな発表があります。

本当に皆さん色んな取り組みをして、よりよい治療と環境作りをされているなあという印象を受けます。

その中で一つ、私が取り組んでいる内の一つのシャントの発表についてご報告します。

ちょっと不思議な発表です。

ビタミンDという薬があります。

内服薬と注射薬があります。

今回は注射薬の話です。

基本的にはビタミンDは骨関係のお薬です。

そのビタミンD注射薬とシャント!?

シャントPTAというシャントが狭くなったときの風船治療の後にこのビタミンD注射を皮下注射(通常は静脈注射)を行うとシャント再狭窄の頻度が減ったという報告。

皮下注射は1週間に1回で合計4回、場所は風船を広げた場所の周囲に打つようです。

ビタミンDは炎症を抑える作用があります。

確かに、風船を広げた場合は血管内に炎症が生じます。

ですから炎症をおさえるという意味ではひとつの方法かも。

肝腎の骨に対してもビタミンDは吸収されるので問題ないとも思います。

基本的には静脈注射薬なので問題ないとも言い切れませんが…

この報告はすこし変わっていますが、色んな取り組みをされているということはその施設が治療などに対して前向きに取り組んでいるということであり、成長していきたいという気持ちを持っているのだと思います。

そういう意見の集約が学会であり、そこで習得できることは本だけでは吸収できないたくさんの現場の意見が込められています。