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院長の臨床メモcolumn

2012.07.19

血液透析による頭痛に対して

血液透析を始めると不均衡症候群になることがあります。

特に透析を始める時期に起こりやすいです。

数時間で貯まっていたBUNなどの毒素やアシドーシスという体のバランスの変調がいきなり透析によって変化します。

いきなり体内で変化すると体がついていかなくなって、頭が痛くなったり、気持ちが悪くなったりします。

この不均衡症候群は基本的には透析開始時期が有名ですが、維持透析時期でも起こりえます。

特に頭痛。

体と脳の細胞のバランスが崩れて発生します。

透析でまず体の老廃物は除去されますが、脳からの排泄は時間差があります。

その時間差があるため、細胞に負担が掛かり頭痛を発生させるといわれています。

週3回の透析を繰り返していると激しい頭痛ではありませんが、透析前後で頭痛が悪化する方がいらっしゃいます。

肩こりやシャント肢痛による筋緊張性頭痛も多いです。

この透析中に発生し、慢性的に持続する「頭痛を血液透析による頭痛」とします。

この頭痛に対して困っている方に透析前後でツムラ五苓散を1包ずつ内服すると良くなるという報告があります。

痛みスコア(最大10.最小0)で投与前平均7.45⇒⇒⇒投与後1.55と著明に患者さんの痛みの訴えが減っています。

この五苓散は僕がすごく注目している漢方薬で透析中のこむら返り予防、頭痛予防、血圧低下予防となる薬だと考えています。