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院長の臨床メモcolumn

2012.08.27

テシオカテーテルの合併症

2年前にテシオカテーテルを入れた患者様います。

これまで脱血ルートで赤側のカテーテルは2回脱血不良で入れ換えたことがあります。

しかしこれまで青ルートは入れ換えたことがありません。

今回、脱血不良ということで紹介入院となりました。

このテシオカテーテルは長期留置型なのでカテーテルと皮膚が癒着してしまっていて抜くのが大変なんです。

癒着されることによって細菌の侵入を防ぎ、また抜けないようになっていますので当然です。

その癒着をはがすのにやや一苦労。

しかし随分となれてきているので1本はスムーズに入れ換え終了しました。

次に青ルートの変更。

癒着をはがすまでは全然問題なし。

しかし入れ換えるときに新しいカテーテルが全く入りません。

ダイレーターという徐々に広げていくデバイスがあるのですがそれも太くなると入りません。

色んな物品を使っても入りませんでした。

造影してみてみると血管自体が流れていませんでした。

[添付]

写真の左から右に流れているのは鎖骨の血管ですが、その後右側に総頚静脈という縦に流れる血管が現れるのですが、それが見えてきません。

=太い血管全体が詰まっているということです。

つまり長く留置することでカテーテル周囲の血管が完全につまってしまっているということです。

これではいくら押しても入りません。

抜くのは簡単なんですけどね。

今日は脱血は赤カテーテルで行い、返血は上手なスタッフに刺してもらい自己静脈で返しました。

しかしこれは長くできるものではありません。

シャントを作ることもできず、グラフト作成も厳しいといわれています。

もう反対側にテシオカテーテルを入れるか??

悩みどころです。