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院長の臨床メモcolumn

2012.08.22

感染性胃腸炎に・・・嘔吐下痢はつらいです。

昨日感染対策委員会がありました。

現在神戸市で一番多い感染症は感染性胃腸炎。

比較的感染症が少ない時期でもありますが、小児を中心としてこの時期はずっと感染性腸炎が第一位になっています。

この感染性胃腸炎に罹患するのは小児とその看病している家族が多いので、例年患者さんよりはスタッフやその子供さんがかかっている印象もあります。

今回もスタッフの子供さんが罹患したようです。

おもな症状は嘔吐下痢。

特に嘔吐はつらい。

基本的な治療としてはまず最初は数時間絶飲食。

その後薄い野菜スープで少しずつ(20-30ml)あるいはアクアライトなどのミネラル補給を試していく。

少しずつなので胃にたまらず、吐気があっても吐かずに小腸から吸収されます。

下痢に関しても基本的には同じです。

ミルクはこのような場合では腸に負担を与えることがあるので少し薄めにしたほうがいいでしょう。

また3日以上など長引く場合は可能であれば乳糖除去ミルクの方がいいでしょう。

母乳の方はそのまま行きます。

治療に関しては基本的には五苓散がいいです。

五苓散を少量のぬるめのお湯に溶いて飲む。

この時氷で冷やして飲んでもOK。

嘔吐で飲めないといわれるかもしれませんが、上記の絶飲食して少しましになったら飲ませて下さい。

また乳幼児で飲めない方は五苓散をぬるま湯に溶かして注射器で20ml注腸します。(小児科でされているところがあるようです)

これで回復する場合も多いようです。

基本的には薬ありきではなくて、初期で嘔吐がひどい場合は腸を休めてあげるために絶飲食が必要です。

もちろん脱水症になる可能性がある場合は点滴が要ります。

吐いたからといってあわてて水分をあげないということも必要でしょう。

ついつい心配になってあげようとしてしまいますが…

私も五苓散を使ったことがありますが、ある程度吐いた後は飲まなかったときより回復が早かった印象があります。

五苓散は安全な薬なので小児から大人まで幅広く使える薬だと思います。