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院長の臨床メモcolumn

2012.09.07

内科病棟より整形外科病棟の方が血糖値測定(糖尿病)をしている患者さんが多い。

私は内科医ということもあり、よく整形外科病棟で血糖値の管理をします。

内服薬の調整や術前後のインスリンの導入・離脱などの仕事もしています。

当院は3階建てで2階は整形外科+外科病棟が中心、3階は内科+循環器科病棟が中心、透析されている方は両方の階にいらっしゃいます。

入院中の血糖測定をしているのは圧倒的に2階の整形外科病棟に多いです。

内科や外科の患者さんも糖尿病の方はいますが、血糖測定している数は圧倒的に整形外科患者さん。

つまり糖尿病があるということです。

整形外科の患者さんは骨折が多いです。

糖尿病がお持ちの方で、特に高齢の方は骨折しやすいと思います。

またインスリンが必要なことも多く、インスリンが自分の体から出にくい方は余計に骨折しやすいのでしょう。

実際、体内のインスリン分泌が低下していくと骨の強度が減少する可能性が示唆されております。

また高血糖が持続すると骨の新陳代謝が障害されて、骨の強度を減弱させます。

糖尿病の方は骨を作る骨芽細胞の機能が低下し、骨を壊す破骨細胞の数の増加や機能が亢進していると報告されています。

同じ骨密度検査の値でも糖尿病の患者さんは糖尿病ではない方よりも1.7倍骨折しやすいというデータもあります。

さらに最近話題にもありましたが某タレントの方が胸椎骨折されました。

主には着水した時の腰にかかる重力が負担になったと思われますが、アルコール多飲や喫煙も骨に関係しているという報道もされました。

生活習慣病をお持ちになられている方は多くいらっしゃいますが、2重3重にも骨を悪くさせると思われます。

骨の健康の維持は本当に必要なことです。

骨の薬も多数発売されてきていますが、生活習慣も見直す必要があります。