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院長の臨床メモcolumn

2013.05.10

☆糖尿病性腎症とDPP-4阻害剤(トラゼンタ)の報告

トラゼンタは糖尿病性腎症の患者さんでも血糖コントロールに有効といわれています。

推定GFRが30以下の高度腎障害のある患者でも1日1回5㎎の内服でHbA1cが0.8-1.5%低下したと報告されています。

以前から腎臓障害のない患者さんでもHbA1cが有効に低下するといわれていますが、腎障害の強い患者さんでもその効果は実証されています。

さらに腎症がまだ軽微の患者さんでは、トラゼンタと降圧剤であるアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)やアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)と併用すると血糖値だけではなく、尿蛋白も減少すると報告されています。

トラゼンタはいろんな可能性があり、腎臓病患者さんでも安全な薬剤だと思います。

ところで、

今朝、アメブロを読んでいると,とある方のブログで「バイエッタ(商品名)とシャヌビア(商品名)で急性膵炎で入院するリスクが2倍になるという記事を読みました。」

この報告は海外の有名な糖尿病雑誌で報告されています。

日本ではまだ報告がないようで今のところは注意や警告もありません。

新しい糖尿病治療薬で期待をしているだけにやや心配な報告ですね。