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院長の臨床メモcolumn

2013.05.22

腎臓を守り、血圧を下げる

高血圧ガイドラインでは慢性腎臓病の方は「125/75未満目標」と掲げられています。

それを達成するために塩分制限や降圧剤を内服します。

腎臓病の場合血圧を下げるためにARBやACE阻害剤を第一選択にします。

第一選択薬になるには理由があり、ARBやACE阻害薬が「腎臓を守る」保護作用があるからです。

蛋白尿を減少する、腎障害の進行を抑制するという効果がたくさんの臨床研究で立証されています。

慢性腎臓病の治療にはARBやACE阻害薬は必須です。

ARBあるいはACE阻害薬単剤ではなかなか125/75未満を達成できないのも事実です。
そんな時にはカルシウム拮抗薬という比較的降圧効果の強い降圧剤を併用します。

腎保護作用を持つ降圧剤を有効に使うには飲んでいるだけではなくて、「腎保護作用を持つ」降圧剤を含めた降圧治療をもって、125/75未満にしなくてはなりません。

単剤では到達困難な場合はARB+カルシウム拮抗薬を使用することが多いです。

実際、ARB+カルシウム拮抗薬の合剤はたくさん販売されており、その二つの薬の組み合わせの良さはあらゆる研究で実証されたといえます。

色んな合剤があります。

ARBを発売している会社のほとんどが合剤も発売しています。

カルシウム拮抗薬はアムロジピンやカルブロックが使用されています。

僕が注目しているのが3点。

① カルブロックは腎保護作用+降圧効果の強いカルシウム拮抗薬で単剤でも結構効果は高いと思います。

そのカルブロックにARBである「オルメテック」を併用したのが「レザルタス」です。

この組み合わせは非常にいいと思います。

② あと多くの薬剤会社が使用しているアムロジピントの合剤ですが、ほとんどが2.5-5㎎の容量です。

しかし1剤だけアムロジピン10㎎まで増量している合剤があります。

アムロジピン10㎎+イルベタン100㎎=「アイミクスHD」

アムロジピン10㎎まで増量しているので降圧効果が高く、血圧低下効果も期待できる薬剤といえます。

③ あとは「ミカムロBP」

これはカルシウム拮抗薬ではなくARBを最大量含有した唯一の合剤です。

他の薬剤は最大使用量の半量以下しか入っていませんが、ミカムロは唯一ARBである「ミカルディス80㎎」という最大量が含まれています。

色んなARB+カルシウム拮抗薬の合剤がありますが、僕が強い腎保護と降圧作用を期待しているのは「レザルタスLD/HD」、「アイミクスHD」、「ミカムロBP」です。