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院長の臨床メモcolumn

2013.05.15

足が痛くて眠れなかった。。。

糖尿病、高血圧で当院通院を始めた8○歳の男性患者さんがいらっしゃいます。

体のあちこちが痛くて、だんだんと歩けなくなってきているようでした。

比較的お近くにお住まいであり、当院の評判を聞いて、先月から当院に通院されています。

非常に記憶力があって、しっかりとされていますが、痛みが強く、しんどそうな感じでした。

お話を聞いているといろんなところで、今の自分の症状を訴えても、なかなか聞き入れてもらえず、「老人性うつ」で片づけられていたようです。

血液検査、心電図、エックス線では特別大きな異常はありませんでした。

しかし、精神的につらく、体は悲鳴を上げているようでした。

とくにつらいのは、「足の痛み」と「胸から頭に上がってくるようなふらつきとめまい」ということでした。

まず「足の痛み」から治療していくことになりました。

足の痛みは寝ているときにつらくて、寝ている疼いてきて眠れないようです。

寝ているときの痛みの原因は「冷え」や「痂血」ということが多いといわれています。

痂血や血虚の筋肉痛、関節痛、神経痛(特に下肢)のときには「疎経活血湯」がよく効きます。

それだけでは「冷え」に対して効果が少ないので「附子末」を併用しました。

2週間後に来院され、「ほとんど痛みがなくなって、夜が本当に楽になった。話を聞いてくれた上に、足まで楽にしてくれて。」と目に涙を浮かべておられました。

副作用も出ることがなく、症状が楽になったというのは漢方ならではと思います。

数年前の自分であればまず、治せることができなかったと思います。