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院長の臨床メモcolumn

2013.08.21

ミルセラの減量と休薬について

腎性貧血の注射で月1回製剤の「ミルセラ」が中外製薬から発売されています。

保存期腎臓病、血液透析、腹膜透析に方に対して使用できます。

それぞれに対して目標ヘモグロビンが定められています。

そこには「減量あるいは休薬」と書いています。

減量あるいは休薬の判断はどうするのか?

やめてしまっていいのか?

やめたら急に下がらないのか?

減量するとするとどれくらい下がるのか?

という疑問がわいてきます。

下の表をご参考ください。

この報告では

ミルセラを1ランク減量(たとえば100μ→75μ)した場合⇒ヘモグロビン-0.3の減少

ミルセラを2ランク減量(たとえば100μ→50μ)した場合⇒ヘモグロビン -0.43の減少

ミルセラを中止した場合⇒ヘモグロビン -1.54の減少。

と報告されています。

目標ヘモグロビンからどれだけ上昇してしまったかによると思いますが、いったん「休薬」してしまうと、一気にヘモグロビンが低下します。

いったん下がったヘモグロビンはなかなか上昇してきません。

たとえば血液透析患者さん:Hb12でミルセラ100を使っている場合はまず50μgに減量するのがいいかもしれません。

減量をうまく使いこなすことが腎性貧血のコントロールには必須だと思います。