はじめての方も
お気軽にご相談ください

院長の臨床メモcolumn

2015.03.26

卵巣の摘出

ある世界的女優が今後起こり得る癌の可能性があり、卵巣を摘出したニュースが話題になっています。

癌は誰もが恐れる病気で、病名だけで「死」を意識してしまいます。

完治する場合もありますから癌=死ではないですが、そういうイメージは一般的にはあります。

予防的に臓器をとることは抵抗はあります。

きっとこの女優もかなりの勇気と決断がいったと思います。

自分自身の問題、摘出したことによる体の変化、家族などの周囲の意見、手術の合併症、医療側の倫理問題、保険適応の問題などいろんな問題があると思います。

がんを早期に見つけることは非常に重要です。

しかし通常の一般外来(クリニックや病院)に通院しているだけでは見つからないと思ってもらった方がいいと思います。

生活習慣病中心の外来では見つかりません。

いつか、血液や尿で癌が判別できる機会ができる時代が来るでしょう。

しかし今はそのような状態ではありません。

ですから、私は極力がん検診や人間ドックを受けることを勧めています。

がん遺伝子検査もありますが、高額であることと、陽性と出た時にどう対応するかという問題もあります。

それが早期発見につながればいいとは思いますが、がん遺伝子陽性反応と付き合っていく覚悟も必要になります。

あとは費用的な問題もあります。

この女優さんの摘出は考えさせるものがあります。

きっと不安もあったし、恐怖もあったんでしょうね。

人は誰しも自分を含め守るべき人や物があります。

それらを守るためにできる限りその危険性をなくすことは大切ですし、その決断と覚悟は立派なものだと感じます。