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院長の臨床メモcolumn

2015.06.12

セカンドオピニオン 保存期腎臓病のリン吸着剤

保存期腎臓病のセカンドオピニオンで今週、芦屋市からわざわざ当院にお越しになられた方がいらっしゃいます。

「リン」に対する治療について。

当院のブログを見て、リンに対してリオナを行くべきかどうか?という質問でした。

その患者さんのリンは3台。

保存期腎臓病ですとリンは「2.5-4.5」を目標に管理するので、リンが3台ではリン吸着剤は投与しません。

しかしお知り合いの米国の著明な先生が「リンが低くてもリオナを行くべきだ。リンは3以下にコントロールするべきである。」をいうお話をされたようです。

リンが高いのは生命予後、血管石灰化の点からも透析に限らず保存期腎臓病でも良くなく、低いに越したことはありません。

今回の患者さんはカルシウムもインタクトPTHも正常範囲です。

リンも3台?

行くべきかどうか?

たぶん、米国の先生は「血清リンが上昇する前に、FGF-23が上昇し、FGF-23は高ければ高いほど心不全や神経管イベントの可能性が高くなる」と言いたいのかもしれません。

だから、リンが高くなくても、保存期腎臓病であれば極力低くリンをコントロールすべきだという考えを持っているかもしれません。

リン吸着剤を積極的に使用することで生命予後がよくなったという報告もあれば関連がなかったという報告もあります。

リン吸着剤も副作用があります。

リオナの場合、鉄の吸収もあります。

保険適応の問題もあります。

現時点ではリン3台で積極的にリン吸着剤を投与するのは必要性が少ないのではないかと考えています。