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院長の臨床メモcolumn

2016.04.18

花粉症の血液検査

スギ花粉の時期は過ぎましたが、まだ花粉症の方はいらっしゃいますね。

アレルギーの原因検索のために、時にアレルゲンの血液検査(特異的IgE抗体検査)を行います。クラス判定は、IgE抗体価を「0~6」の7段階におおまかに分けたもので、クラスが高いほどアレルゲンである可能性が高く、重篤な症状を引き起こす危険性があります。

クラス1は疑陽性つまりアレルゲンである疑い、クラス2以上は陽性つまりアレルゲンの可能性が高い、クラス4以上は強陽性で大部分の患者さんがアレルギー反応を示すといわれています。ただし、IgE抗体が証明されても症状がないこともあります。

 あくまで「感作」されているだけで、決して発症されるわけではありません。そのアレルギーに対する耐性を獲得している可能性もあります。

陽性反応が出た場合は要注意ではありますが、特に食事は耐性を獲得していることもあり、陽性だからといってすべて中止ということにはならない場合があるので、逆の注意も必要ですね。

表.特異IgE抗体(CAP)のクラス判定とスギ花粉症の季節時発症率判定  抗体価(UA/mL) クラス 発症率
陽性 100.0以上 6 =100%
50.0以上 5 =85%
17.5以上 4 =50%
3.50以上 3 =38%
0.70以上 2 =13%
擬陽性 0.35以上= 1 3%
陰性 0.34以下= 0

〔参考〕大塚博邦、他:アレルギーの臨床 13(10)、1993