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院長の臨床メモcolumn

2017.06.01

糖尿病ネットワーク

5月31日水曜日に糖尿病ネットワークという研究会が行われました。

2か月に1回定期的に行われています。

昨日は、一般演題で透析についてお話をいたしました。

透析で開業している医師は私だけなので申し訳ないなあと思いつつ、

演題名は「血液透析患者に対する週1回のインクレチン製剤」について。

最近では週1回の注射剤、内服薬が使用できるようになっているので、患者さんによりますが非常にメリットがあります。

特に注射剤に関しては週1回、ご自身で打てない場合は、透析後当院で打つこともできます。

副作用に注意しながらも、効果は実感しています。

いろいろと質問もいただき、お答えできない内容もあり、まだまだ不勉強を感じることもありましたが、逆にもっと知識を深めていかなければいけないという気持ちにもさせられました。

講演で糖尿病における降圧治療についてドップジャーナルのメタアナライシスを用いてご説明をいただきました。

微量アルブミンのある患者さんにはACE阻害薬がいいようです。

血圧が高い方に関してはACE阻害薬とCa拮抗薬の併用療法が有効ということです。

もちろんARBがいいという報告もあります。

ただ、腎臓が悪いというだけでARBやACE阻害薬というわけではなく、尿蛋白や尿アルブミンが出現した患者様に限ります。

注意しなければいけないのがACE阻害薬なのでクレアチニンが30%以上上昇した患者さんです。

この方々はやはり要注意であることがわかりました。

上昇する方は透析に進行しやすいだけではなく、心臓病、心筋梗塞になりやすいというのです。

特に30%以上上昇する方は女性、恒例、心臓病、痛み止めを使用している方、利尿剤を内服している方は要注意です。

また、ARBとACE阻害薬併用療法は腎機能進行抑制効果も強く、効果も期待できる半面、このようにクレアチニンが上昇したり、カリウムが上昇したりするので、やはりこの2剤の併用療法には十分注意する必要があります。

非常に勉強になりました。