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院長の臨床メモcolumn

2017.07.05

カルニチン製剤をやめるとどうなる

透析患者のカルニチン濃度は低くなります。

理由は透析で約60%除去(分子量162、蛋白結合率が低い)されるからです。
*透析導入期のカルニチン濃度は正常という報告が多い。
*透析導入1年後からカルニチン濃度が低下することが多い。

カルニチン製剤のメリット
・筋痙攣の軽減
・貧血の改善、ESAの減量
・心肥大や心収縮力の改善
・運動機能の向上??
と言われています。

カルニチンの内服と静脈投与の比較では
エルカルチン製剤1000㎎静注週3回>内服900㎎≒静注500㎎週3回と報告されていますが、それぞれメリットデメリットは存在します。

次にテーマのカルニチン製剤(内服薬)をやめるとどうなる?ですが、

治療開始すると1-3か月後には速やかにカルニチンは増加し、特に静注製剤は著明に上昇します。

しかし、カルニチン製剤中止するとすでに1か月後では、特に遊離カルニチン濃度の低下はすごく下がります。

投与しておくと上がりっぱなしになるし、やめてしまうと数か月で欠乏してしまいます。

ではどうするか?

投与を継続し、濃度が上昇しても害はありませんのでそのままという選択肢もあります。

あとは報告例を拝見すると、週1回、あるいは隔週投与で濃度が安定すると報告されていますので、例えば初めの半年は週3回投与して、その後は週1回投与でもいいかもしれないと思っています。