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院長の臨床メモcolumn

2017.11.08

ポリファーマシーと尿酸の薬

最近、ポリファーマシ―といって多剤処方が問題提起されることがあります。

6種類以上の薬を飲むと体に変調をきたしやすくなるという話もあります。

腎臓病や透析をしていると6種類以上の薬を使うことは多々あり、減らそうかなと思っても、逆に変調をきたす恐れもあるし、6種類以下にはなかなかできない今日この頃です。

最近、尿酸値を下げていきましょうという話をよく聞きます。

これまでは痛風や結石を予防するために尿酸値を下げるという話でしたが、尿酸が高いことは高血圧や腎障害のリスクを増やすという報告もあることから、薬を飲んでいる方は6未満にした方がいい、最近では5未満にした方がいいという報告もあります。

もちろん、尿酸下げることに対しては反対しませんが、そうなるとどんどん薬が必要になります。

尿酸にしろ、高血圧にしろ、糖尿病にしろ、あくまで何らかの予防のために飲んでいます。

例えば、尿酸は痛風など、高血圧は脳卒中などの動脈硬化性疾患、もちろん腎不全もそうです。

予防のために飲んでいます。

尿酸も将来の予防のために6あるいは5未満に下げましょうとなっています。

尿酸だけではなく、高血圧も糖尿病も言えばきりがないのかもしれません。

各疾患でコントロールするために内服薬治療は必要な一方で、ポリファーマシーという言葉が出てきており、頭を悩まることがあります。

ポリファーマシーについては否定的ではありません。

大切なことで、漫然と処方し続けてはいけないというブレーキ役にもなり得る言葉だと思います。

薬剤師中心となって活動され、うまく管理されているところもあると聞きます。

尿酸の薬は一例ですが、目標を達成するための薬が多剤になると問題になるという現場としては何とも葛藤がありますね。