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院長の臨床メモcolumn

2018.03.17

腸管膜静脈硬化症

久しぶりに漢方薬の話です。

最近、生薬のサイシンで腸管膜静脈硬化症が発症するという報告があります。

この疾患は、大腸の壁内の腸管膜静脈が石灰化し、血流障害を起こし、虚血性腸炎になります。

症状としては腹痛、下痢、悪心、嘔吐があります。

大腸カメラの所見としては右半結腸を中心とした粘膜の色素変化(紫、青銅など)があるようです。

CTでは静脈の石灰化が特徴です。

この疾患としてはサイシンの入っている加味逍遥散や清肺湯などを5年以上継続しているとなる可能性があるといわれています。

特に、加味逍遥散には注意が必要かもしれません。

ただ、予後は比較的良好で、薬剤中止後もゆっくりですが症状は改善するようです。