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院長の臨床メモcolumn

2018.03.20

透析患者さんへのタミフル予防的投与の有効性

随分前の報告ですが、ある文献で

透析室でインフルエンザA型を9名の患者さんが発症しました。

といっても300人以上いる透析室ですが、、、。

9名の患者さんに対してはタミフルの治療

299名の患者さんに対してはタミフルの予防的投与

残りの31名の患者さんは予防的投与を希望されませんでした。

予防的投与は有効だったのか?という話です。

となると、気になるのがワクチンを打っていたかどうかということです。

ワクチンは339人中227名で約67%打たれていたようです。

ワクチン接種した方の方がインフルエンザになる数が少なかったようですが、統計的には接種したほうが罹患しなかったといえなかったようです。

予防的投与の結果の話ですが、

予防的投与した299名中、後日インフルエンザになった患者さんは0人

予防的投与をしなかった31名中、後日インフルエンザになった患者さんは2人。

ということで、タミフルの予防的投与は透析患者さんでも有効であったということです。

ちなみに、タミフルの量は予防的投与でも75㎎1回投与です。

治療の場合ですが、日本透析医学会ではタミフル75㎎投与し、その5日後にまだ症状が残っていれば、さらに75㎎追加すると記載されています。

初回の75㎎で透析患者さんの場合、一気に薬物濃度が上昇しますが、過量投与になる例はほぼないようです。