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院長の臨床メモcolumn

2018.07.18

DKD?

最近、CKDはだいぶ浸透してきて、「慢性腎臓病」ということが認知されてきています。

さらに、最近、DKDという似たような言葉が出てきています。 DKDはDiabetic Kidney Diseaseの略語であり、糖尿病性腎臓病と訳されます。

もともと糖尿病性腎症というものがあったのでは?という疑問が湧き出てきます。 糖尿病性腎症は典型的には尿アルブミンが出て、タンパク尿が出て、腎機能が悪くなっていきます。

ところが最近では尿アルブミンが正常なのに、腎機能が悪くなってきている糖尿病患者さんに多く出会います。 つまり、典型的な糖尿病性腎症もありますが、「典型的ではない糖尿病を持っている腎臓患者さん」が増えているということです。

典型的ではないということについては、糖尿病だけではなく、高血圧や動脈硬化などがオーバーラップした結果、糖尿病というよりも高血圧や動脈硬化が起因した腎臓病が混在しているということになります。

このように、糖尿病性腎症を含めた糖尿病でありながら、腎機能低下を認める患者さんをとらえようとした用語がDKDということになります。 まだはっきりしていない部分も多く、例えば、長―い期間、慢性腎臓病があって、ここ最近、健康診断で糖尿病を診断された場合はDKDなの?ということなど、それはDKDといえないでしょう。

ということもあるでしょうから、まだその定義はあいまいで混とんとしていることも多いと思います。

おそらくは、糖尿病性腎症なのか?これは糖尿病はあるけど、他の腎症(例えば高血圧性腎硬化症)が原因と違うだろうか?など、ある程度糖尿病も腎症が進展に影響を与えている場合がDKDということになるのではないだろうかと思います。

現在、糖尿病性腎症の病期分類がありますが、今後DKDの病期分類もできたりするかもしれません。