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院長の臨床メモcolumn

2018.12.21

来夏からの豪雨による災害レベル

豪雨5段階警戒が来年の夏から運用となります。

今年の災害を受け、来年から災害のレベルをよりわかりやすく認知されやすいように新たにレベル1から5までの5段階の区分案が出されました。

数日中に警報レベルの大雨が予想される場合を「レベル1」、災害が発生してしまった「レベル5」とされております。

レベル1から5に分けると、いざというとき、我々住民も理解しやすく、避難行動に身を落とせる可能性は高くなると思われます。

ただ、気になるのは、レベル4の「避難勧告、避難指示」というところです。今までは、避難準備情報→避難勧告→避難指示の順番でした。

それがレベル4では避難勧告と避難指示が一緒になっています。

この夏、加古川で危険氾濫水域レベル4に達し、避難勧告が発令されました。

避難所が開設されましたが、実際に利用した人は少なかったように思われます。

しかし、これが避難指示レベルまで出ていたら、避難所を利用する人は一気に増えたかもしれないと思います。今の認識では、避難勧告と避難指示との印象違いは非常に大きなものと思われます。

この2つが一緒になったレベル4になると、今よりも早く避難行動ができ、命を守るという点では非常に評価できるものだと思います。

ただ一方、透析クリニックを経営している立場からすると、レベル4で避難とし、診療を中止できるのか?という大きな壁にぶつかってしまいます。

実際、今夏、避難勧告レベルで診療を行っていました。医療、特に透析では命を守るという点では避難勧告であっても診療の継続が必要と思われます。

ただ、クリニックに来るまでの道中、職員の安全性を考えると、レベル4は軽視するわけにもいきません。

患者さんの命を守り、医療の継続性を維持しながらも、災害のレベルを的確に判断し、安全性を担保できるかどうか非常に難しい選択になります。

レベル4が避難勧告と避難指示の両方が含まれているということは、レベル4にも幅があるような印象を受けます。

あくまで住民のためのわかりやすい指標であり、案としては賛成していますが、実際、レベル4になったときはその時の状況、災害状況、患者様やスタッフの通勤路など総合的に判断し、透析スケジュールを決定すべきだと思っています。