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院長の臨床メモcolumn

2019.05.18

コンフォートゾーンと生活指導

コンフォートゾーンとは快適空間のことです。

これは誰もが自分の中で持っているものです。

プライベートの時間に限らず、仕事中でもどこかで自分の中での快適空間、やりやすい環境はあると思います。

安定した過ごしやすい空間といえるでしょう。

ただ、主にはプライベートで使用されると思います。

今回このコンフォートゾーンと治療について考えてみたいと思います。

内科の治療は大きく分けて、薬剤治療と生活指導。 薬物治療は内服薬が中心で、医師が処方し、提供するもの。

これはコンフォートゾーンにはあまり影響しません。

薬はもともと自分の生活にはないものなので、ゾーンを犯すというほどではないでしょう。

しかし、生活指導はどうか?

指導するということは「変化」が必要ということ。

しかも、生活の一部を変化させるということはコンフォートゾーンに影響を及ぼします。

塩分制限、お菓子の制限、散歩など。

普段、それらをしないで、自分の中でのゾーンを形成している中に、「指導の内容」を受け入れることができるか?

それは、患者さんにとって相当な改善する気持ちと決意と覚悟が必要になると思います。

私も含め、誰もが持っているコンフォートゾーン。

指導をあきらめるというのではなく、このゾーンを意識していかないと、患者さんには治療側の思いが届きにくいかもしれません。

コンプライアンスからアドヒアランスという言葉に変化してきました。

患者さんが納得しながら受けていく治療が求められている時代です。

患者さんが実行する、しないは最終的には自己判断になってきますが、我々医療者は患者さんの背景や思いをくみ取りながら指導していかなければならないと思っています。