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院長の臨床メモcolumn

2019.07.15

患者参加型医療の実施

最近では患者様を中心とした医療体制が構築されてきています。

薬に関しても以前はコンプライアンスという言葉でしたが、最近ではアドヒアランスという言葉が多く用いされ、患者さんに納得しながら内服していただくことの重要性を感じることがあります。

ACPもそうですが、最近ではチームアプローチとしてSDM(協働の意思決定)が重要視されています。

医療側は患者にとって何がベストなのかを判断し、それを患者さん側に十分に理解してもらうこと。

加えて、医療者と患者さんが互いに知識や価値観を提供し合い、協働して、患者さんにとってベストな治療を決定すること。

EBMと叫ばれた以前の時代に加えて、多種医療者と患者さんが納得して、協働で、治療を勧めていく時代になってきています。

理想と言える形ですが、問題点もあります。

医療者側の問題点とすると、患者さん側に十分な説明する時間を提供できるかどうか?

1回で理解できないところは多く、数回できるかどうか?

患者さんからするとその疾患に対して情報収集ができるかどうか?

話を聞いても理解できるかどうか?

理解不十分な場合、治療法の決定があやふやになってしまう恐れもあります。

腎臓病に関しても、例えば透析をするタイミング。

何時から話をするべきかどうかはすごく悩みます。

患者さんは透析をしたくないという思いで食事療法など頑張ってきているのに、あまりに早く透析の話を具体化しすぎても聞きたくないでしょうし、理解も得られない場合もあります。

かといって遅くなると時間がないうえに、体調も悪くなってくることがあります。

理想は患者様の体調がいい状態で、何回か10分くらいで何回か分けること。

単に話が長くてもなかなか理解はできません。

そのタイミングは非常に悩ましいですが、透析導入時の際には透析導入の必要性について受け入れてもらうこと、その後時間をとって説明することが大切になってくると思っています。