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院長の臨床メモcolumn

2020.01.12

ACPと事前指示書

新聞でACPについて掲載がありました。

昨年からしばしばACPや人生会議についての記事を目にします。

ACPは人生の最終段階の時に、

個人が望む、医療やケアについて家族や医療・介護スタッフと繰り返し、話し合い、共有していきます。

繰り返し話していくことで、

終末期について、理解を深め、自分の考えを固めていきます。

その過程が非常に大切といわれています。

一方で、事前指示書というのは、患者さんの意思を書面に残すものです。

事前指示書は自分は延命処置を希望しないという旨を書類に記載していきます。

ACPも最終的に事前指示書を書くことにはなりますが、書類に関して問題もあります。

・時期の問題(時期が適切か?昔すぎないか?)

・保存の問題(いざという時に、取り出せるか?、どこに行ったか分からないようになった)

・家族を含めた周囲の納得(自分勝手にしていなかったか?)

・患者さんの気持ちの変化がなかっただろうか?(書面の内容から本当に変わっていなかったのか?)

最終的には書面での意思確認は必要ですが、

かかりつけ医や訪問介護スタッフはその気持ちの変化に気づき、

患者さんの意思決定に対して柔軟に対応し、耳を傾けていく必要があると思われます。