院長の診療日記

2012年9月29日 土曜日

足に気を配ってほしい~下肢血管梗塞について

1年に1回当院では定期検査を行います。

そのうちの一つにABIという検査があります。

足の血圧と腕の血圧の比を見てどれくらいかを検査します。

1-1.2くらいが良好と判断します。

0.9以下になると、つまり足の血圧が腕より低くなると足の血管のどこかが細くなっている可能性があります。

ABIが一般的ですが、その他にもTBIやSPPという検査があり非常に診断精度が上がってきています。

つまりABIでは下肢動脈硬化と診断されなかったものがSPPを使うと実はもっと下肢動脈硬化の頻度が高くあるということになります。

ではどのような方が下肢動脈硬化になりやすいのか?

1番の注目点は糖尿病と喫煙です。

以下に10年前のデータですが、下肢切断率を示します。

・一般人口:0.086人/1000人・年

・糖尿病:0.14人/1000人・年

・糖尿病でない透析患者:7.1人/1000人・年

・糖尿病がある透析患者:41.4人/1000人・年

驚かれたと思います。

一般人口の方を1とすると、透析患者さんの四肢切断率は82.6倍あります。

さらに糖尿病がある透析患者さんでは481倍あります。

糖尿病がある透析患者さんで喫煙をされている方はもっとあるということになりますよね。

きびしい現実を目にしてしまっとと思うかもしれません。

昔のデータで下肢動脈硬化に対する認識が低かった時代です。

認識が低いと検査もしません。

気付いた時には既に遅かったということで下肢切断になっている可能性があります。

最近は下肢動脈硬化に関しては浸透してきています。

透析分野においても看護師を中心にフットケアが浸透してきており、足を守っていこうという傾向になってきています。

その一方で足(下肢動脈硬化)について全く触れていない透析医療機関もあるかもしれません。

足は守らなければ切断の危険性もあることながら、命の危険性も出てくることがあります。

切断された後の人生ってなかなか想像しがたいものがあります。

是非とも足には気を配ってほしいと思います。

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2012年9月28日 金曜日

片頭痛の方に漢方が効きました。

最近漢方薬に関する記載が多いですが、やはり漢方薬はよく効く印象があります。

特に婦人を中心として冷え、のぼせ、胃腸不良など色んな症状を合わせてお持ちの方にはよく効きます。

今回は片頭痛の患者さんです。

元々冷え症で、片頭痛を持っています。

ロキソニンが話せず、痛い時には吐気や嘔吐をするくらいつらい症状を持っていました。

つらくて仕事もできない時があるということで相談をされました。

頭痛、頭重感、生理痛があり、その他に、疲れが取れない、便秘、むくみがあります。

冷えが強くて、頭痛がある片頭痛の方には。。。

「ツムラ呉茱萸湯」がよく効きます。

これは体を中から温めてくれてます。

発作時に首や後頭部の筋肉が凝る方によく効く印象があります。

胃も温めてくれるので胃にもやさしく、嘔吐も防げます。

上のような症状のある方には非常によく効きます。

だいたい2週間くらいで効果がある方は出てきます。

非常によく効いたと喜んでいました。

冷えの方も随分と楽になったということで二重に喜んでおられました。

この薬はどちらかというと若目の女性に多く処方します。

ただし!

無茶苦茶苦いですので、少しずつ飲むことをお勧めしています。

にがくても、あの痛みと嘔吐のことを考えたら飲み続けたいと希望されています。

ロキソニンの飲む量もかなり減ったということです。

この方の場合生理痛もひどかったので「ツムラ当帰芍薬散」を追加しました。

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2012年9月25日 火曜日

透析患者さんでのDPP-4阻害剤の使い方(糖尿病薬)

最近、糖尿病分野ではDPP-4阻害薬が話題です。

このDPP-4阻害薬、以前は透析患者さんを含む重度の腎障害の方は使えませんでした。

しかしネシーナ、エクアという薬剤は透析患者さんでも使用できます。

いずれも容量調節が必要です。

理由としては低血糖の可能性があること。

本来であればこの薬剤は低血糖が起こりにくいのですが、透析の方は薬剤の効果が遷延し、低血糖を起こすことがあります。

また反応性低血糖といって食後血糖値が上がってから急速に血糖が低下し、低血糖になることもあります。

ネシーナは6.25mg。

エクアは25mgから開始して、50mgが上限。

このブログでも取り上げたトラゼンタやテネリアは肝臓排泄型なので容量調節が必要なく、いまや透析患者さんにもDPP-4阻害薬が使いやすい時代になっていると言えるでしょう。

適応すれば。。。

①アマリールなどのスルフォニル尿素剤(SU剤)を使っている場合

②ベイスン、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤を使用していても血糖がコントロールできない場合

③少量のインスリンでコントロールしていて、内服治療に変えたい場合。

実際、③の場合で、少量のインスリン(1日総量10単位くらい)でエクア25mgに変えて血糖コントロールが維持されたという報告もあります。

まだまだ、全国的に透析患者さんではDPP-4阻害剤の使用経験が不十分だと思います。

新しいお薬ですので確認しながら安全性を追求していきたいと思います。

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2012年9月24日 月曜日

[アルコール性肝硬変]:気をつけましょう~お酒の飲みすぎ

先週金曜日に透析の方ではありませんが、吐血で救急搬送された患者さんがいらっしゃいました。

大量に吐血し、出血性ショックの状態でした。

輸液を行い、血圧が安定したところで緊急胃カメラを行いました。

胃カメラでは「血の海」状態でした。

どんどん血が出てくる状態で、視界が悪く、どこから出血しているかがよくわからない状態でした。

血液を吸引し、また輸血をしながら胃カメラで出血点を探しました。

場所は食道と胃のつなぎ目のやや下から出血していました。

病名は胃食道静脈瘤破裂です。

通常は可能であればEVLという内視鏡的手術を行います。

出血しているところを内視鏡ですいこんで、吸いこんで餅のように「プクッ」と球状になった瞬間に根っこのところを輪ゴムでくくります。

そうなると「プクッ」と膨らんだ所には血液がいかなくなりますので、出血が止まります。

しかし今回の場合は、ちょうどそのEVLがしにくい場所でしたので内視鏡的に出血点をクリップしました。

場所が難しく、2度か出血点をはずしましたが、何とか最終的には止血しました。

同日の2回目の胃カメラの時に、違う場所でいまにも出血しそうなところがあったのでその食道静脈瘤に対してはEVLを行いました。

現在も出血なく経過しており安心しました。

このようなに食道や胃に静脈瘤ができる原因として肝臓病があります。

特に肝硬変という肝臓病でも進んだ病気の合併症として発生します。

C型肝炎でもなる場合がありますが、この方は飲酒量が多く、かつ飲酒歴が長い方でした。

病名はアルコール性肝硬変です。

常習飲酒家は日本酒換算で3合以上。

大酒家は日本酒換算で5合以上、5年以上。

女性の場合はその3分の2程度とされています。

はじめはアルコール性肝炎や脂肪肝で済んでいますが、徐々に肝臓が硬くなってくると肝硬変になります。

肝硬変は出血以外にも脳や腎臓や胸にも悪影響を及ぼす可能性があります。

そこまで飲まれている方は少ないと思いますが、もし飲まれている方は1年に1度は血液検査やエコー検査を行っておきましょう。

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2012年9月22日 土曜日

明治ヨーグルトのR-1の免疫力増強効果

義父がヨーグルトドリンクを買ってきました。

あの有名な明治が研究開発して発売されている「R-1]という商品。

[添付]

1073R-1という選び抜かれたブルガリア菌ということです。

この「1073R-1乳酸菌」。

すごい効果があるようです。

ひとつは免疫力をあげるという点。

山形県に住む70-80歳の健康な高齢者と佐賀県に住む60歳以上の健康な高齢者を対象にして①1073R-1乳酸菌を使用したヨーグルト90gを食べる群、②牛乳1日100mlを飲む群、にわかれて研究をされたようです。

その結果、どちらの群も体のNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が上昇したようです。

NK細胞というのは外敵に対して戦い、即戦力で攻撃的にウイルスなどに感染した異常な細胞をやっつけてくれます。

このNK細胞が増えたようです。

そうすると風邪をひきにくくなります。

実際、この研究で牛乳を飲んだ方の風邪をひく危険性を1とした時。。。

なんとこの1073R-1を飲んだ人の風邪をひく危険性は。。。

佐賀県では0.44、山形県では0.29でした。

いずれもかなり風邪引きを予防したという結果になりました。

さらにマウスの実験ですが、NK細胞を活性化させたうえに、インフルエンザウイルスの増殖を抑制したという報告もあります。

つまり、可能性としてですが、免疫力を向上させ、インフルエンザや風邪のウイルスなどにかかりにくくなり、さらにかかったとしたもウイルスの増殖を抑えてくれるので重症になりにくいという解釈ができます。

乳酸菌は腸の免疫を向上させてくれます。

腸は最大の免疫器官です。

これから感染症が多くなってくる時期です。

感染症予防の一手になればいいですね。

ちなみに1本当たり112ml、76キロカロリー、蛋白質3.6g、炭水化物13.9g、脂肪0.67gでした。

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