院長の診療日記

2016年9月30日 金曜日

先日の糖尿病カンファレンス

今回の糖尿病カンファレンスでは肥満2型糖尿病の治療について

主には高度肥満に伴う肥満患者への外科治療についての講演がありました。

DLP-1アゴニストなど血糖を下げる注射が、同時に食欲を低下させる作用があるということで、米国では肥満治療薬でも使われています。

それはよく知られた話ですが、肥満に外科治療?

といっても脂肪吸引など美容外科の話ではありません。

胃を縛ったり、切ったりして、縮小させたり、切除した胃を小腸の一番終わりの方につないで吸収を抑えようとする手術などが紹介されました。

基本的にはBMI35以上のかなりの肥満患者さんですが、何と日本でも胃の縮小術は保険適応になっているようです。

全く知らなかった話なのですごく勉強になりました。

病院側でもしっかりした管理が必要なのでどこでもできる手術ではありませんが、高齢化社会である一方で欧米化に伴う超肥満も問題になっているのですね。

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2016年9月22日 木曜日

透析患者さんと尿酸値

尿酸が高いと尿路結石になったり、痛風になりやすくなります。

また最近ではそれだけではなくて、高血圧や動脈硬化の危険性も高まります。

ですから、一般的には尿酸値は6㎎/dl未満に下げた方がいいです。

ただ、透析患者さんではどうでしょうか?

尿酸は透析で除去されます。

尿酸の問題は痛風、あとは動脈硬化などにかかわる生命予後。

下記の図は2005年のOhnoらのグループの報告ですが、透析が始まると痛風発作はかなり減少します。



あと生命予後ですが、DOPPSの報告によると下げすぎてもよくないし、9㎎/dl以上など高くてもよくないしというところです。



どうなんでしょうね。



透析になると尿酸プールが減少し、産生も低下するといわれています。

一般的な痛風の方は6㎎/dl未満ではなくて、DOPPSなどの報告を参考にすると透析の方は9㎎/dl未満としてもいいかもしれませんね。

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2016年9月19日 月曜日

高齢者慢性腎臓病の蛋白制限食

腎臓病が進行すると蛋白制限食が推奨されています。

しかし、蛋白制限食すると、必ずしも腎機能の進行が抑制できるわけでもありません。

高齢者慢性腎臓病患者さんの場合特に蛋白制限をすると弱るのでは?

高齢者では徐々に筋肉量が少なくなり、特には脂肪量が低く、BMIも低くなります。

低体重や低栄養により筋肉量が減少するサルコぺニアは最近新聞等でもよく目にします。

慢性腎臓病の患者さんでは蛋白制限食をするとサルコぺニアの発生、助長する可能性があると思います。

もし、蛋白制限食を守って、腎機能障害の進行を抑制しすれば価値はありますが、海外のデータでは厳格な蛋白制限食は腎機能の予後に関係なく、死亡率が高くなるという報告もあります。

たしかに慢性腎臓病4.5では特に塩分制限を勧められていますが、高齢者には厳格な減塩は食欲不振が進行し、衰弱につながるので、緩和されています。

ただ、高齢者といってもひとくくりにはできず、年齢より若い方もいればそうでない方もいらっしゃいます。

高齢者慢性腎臓病=蛋白制限してはいけない

のではなくて、フレイル、サルコぺニアなど弱っている高齢腎臓病患者さんに対してはまず栄養を付け、蛋白制限食は積極的にはしないという感じで考えています。

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2016年9月13日 火曜日

赤芽球のアポトーシスとEPO濃度の維持

腎性貧血の薬であるミルセラは月1回のESAですが、月2回投与にするとHbが上昇しやすいという報告があります。

なぜなのか?

赤血球が産生される前に赤芽球というものが骨髄で日々産生されます。

赤芽球の半分は残り、もう半分はアポトーシス(使われない)されます。

もったいない話ですが、、、。

でもいざというときには使ってくれるようです。

腎性貧血の患者さんではEPO濃度が低いので、さらにアポトーシスの割合が多くなります。

ですから、ある程度ESAでEPO濃度を多くしないと、せっかくできた赤血球(幼弱赤血球)もつぶれてしまいます。

ミルセラは長持ちする注射ですが、初めの1週間はEPO濃度を維持し、鉄もどんどん利用し、フェリチンやヘプシジンが低下しますが、1週間後には再上昇してしまいます。

アポトーシスや赤血球の崩壊を抑えるためには、「一定したEPO濃度」が必要です。

そのために、ミルセラの投与間隔を短くし、EPO濃度を保つことによって、Hbが上昇するということになっていきます

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2016年9月 8日 木曜日

腎臓病と骨格筋

慢性腎臓病が進行すると、徐々に筋力が弱ってくるという報告があります。

原因の一つとしてマイオスタチンという物質があり、これは骨格筋の増殖を抑えるタンパク質でサルコぺニアと関係しているといわれています。

慢性腎臓病が進行するとマイオスタチンが減少するのはやむを得ないかもしれませんが、ビタミンDやタンパク質摂取や無酸素運動で低下するという報告があります。

透析されている方はどうしてもタンパク質摂取が少なくなるので、どうすれば筋肉をそこまで落とせずに行けるかという点は非常に難しい課題です。

散歩に加えて、少しのゴムトレーニングなどもいいと思いますし、食事ならやはりBCAAの摂取が有効と思います。

両方できればいいのですが...

BCAAなら1gを取るだけで、サルコぺニアの進行を10%抑えることができるそうです。

またn-3系の脂肪酸も骨格筋の進行を抑えるという報告もあるようです。

BCAA,n-3系脂肪酸の摂取は一つのヒントになるかもしれません。

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