院長の診療日記

2020年1月13日 月曜日

腎臓病と抗凝固剤のリスク

脳梗塞の原因として心房細動があります。

心房細動では、心房に血栓ができ、その血栓が、脳に飛んでしまうことがあります。

それを脳塞栓と言います。 脳塞栓の予防に、抗凝固剤が必要ですが、腎臓病や透析患者さんではリスクもあります。

腎臓病や透析患者さんでは脳梗塞や出血のリスクは高いと言われています。

脳梗塞では腎臓病ではない方と比べて、

腎臓病;×️1.24倍

透析;×️1.83倍

出血では、

腎臓病;×️2.2倍

透析;×️2.7倍

本来、脳塞栓の予防に抗凝固剤が必要ですが、上記の通り、出血のリスクもあるため、脳内出血のリスクなどを鑑み、投与にはリスク、ベネフィットを考慮する必要があります。

内服するとしてもプロトロンビンを延長させると思わぬ出血を招くことがあるので注意が必要です。

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2020年1月12日 日曜日

ACPと事前指示書

新聞でACPについて掲載がありました。

昨年からしばしばACPや人生会議についての記事を目にします。

ACPは人生の最終段階の時に、

個人が望む、医療やケアについて家族や医療・介護スタッフと繰り返し、話し合い、共有していきます。

繰り返し話していくことで、

終末期について、理解を深め、自分の考えを固めていきます。

その過程が非常に大切といわれています。


一方で、事前指示書というのは、患者さんの意思を書面に残すものです。

事前指示書は自分は延命処置を希望しないという旨を書類に記載していきます。

ACPも最終的に事前指示書を書くことにはなりますが、書類に関して問題もあります。

・時期の問題(時期が適切か?昔すぎないか?)

・保存の問題(いざという時に、取り出せるか?、どこに行ったか分からないようになった)

・家族を含めた周囲の納得(自分勝手にしていなかったか?)

・患者さんの気持ちの変化がなかっただろうか?(書面の内容から本当に変わっていなかったのか?)


最終的には書面での意思確認は必要ですが、

かかりつけ医や訪問介護スタッフはその気持ちの変化に気づき、

患者さんの意思決定に対して柔軟に対応し、耳を傾けていく必要があると思われます。

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2020年1月10日 金曜日

糖尿病性腎症の予後についてのマーカー

糖尿病性腎症は透析になる疾患の1位とされています。

最近では、糖尿病性腎症による透析を予防しようと国全体が取り組もうとしています。

何を基準にするのか?

まず、大切なのは、尿蛋白検査になります。

尿蛋白陽性の方は要注意です。

尿蛋白±の方の中にも要注意な方がいますので、さらに精密検査が必要になります。

検査する内容は、同じく尿蛋白の「尿アルブミン検査」

これは非常に大切です。

これが陽性であれば、将来的に腎臓病になる可能性が高くなります。

尿アルブミンは健診では図ることができないので、尿蛋白±以上で引っかかった方は尿アルブミンを測定しに、医療機関に受診することをお勧めします。

血液検査では、

推定GFR60未満が重要で、

とくに、45未満だとかなり要注意です。

また、注目されているのが推定GFR低下率です。

つまり、悪くても横ばいであればいいのですが、経時的に下がってくる方は油断していると知らない間に悪くなっているという事態に陥ります。

私としてはGFRが60未満で、さらにこのGFR低下率が強い方は治療介入をし、適切な治療をしないと腎不全になるのではないかと考えています。

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2020年1月 9日 木曜日

医師ミニレクチャー:共同意思決定SDM

SDM(Shared decision making:共同意思決定)~2020.1月

=医療者、患者が情報をもとに意見を出し合い、一緒に意思決定する方法=

(患者への説明方法)
① パターナリズム(患者にとって最善と思われる方法を提案する)

② インフォームドコンセント(患者に十分な医療情報を提供し、患者が最終決定する)

③ SDM(医療者と患者が共同して決定する)

(インフォームドコンセント:ICとのちがいは?)

・ICは同意書が必要な場合、病状説明など"説明"がメインで行われる。

・SDMは患者の主体的な参加を促す

・大切なことは?⇒

患者が気付いていない気持ち、

意向、心配事を引き出すこと

・お互いのゴールを合意しながら設定していく

(SDMはいつ使うの?)

臨床の現場では、日々あらゆる決定が存在する。

そのすべてではないが、患者にとって重要とされる場合に用いられる。

例えば、治療法を選択する時 ① 透析関係(透析時間、透析方法、DWなど) ② 透析を見合わせるとき ③ 薬のアドヒアランスの低下(処方された薬を飲んでいない、自己調整をしている)

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2020年1月 8日 水曜日

透析とインフルエンザ

インフルエンザの国内の発生は1シーズンで1000−2000万人と言われています。

透析患者さんは感染しやすく、一般住民の約3倍罹患しやすいという報告があります。

ということは、おおよそ12000人の方が1シーズンで罹患するということになります。

予防となると、ワクチンが有効でしょう。

しかし、ワクチンは完全に発症率を著しく低下するというものではなく、重症化を予防できる程度かもしれません。

それでも肺炎や脳炎などの合併症による入院を減少できるということは非常に有意義だと思います。

血液透析患者さんで注意が必要なのは、横のベッドの方が感染した場合でしょう。

インフルエンザは飛沫感染や接触感染で伝播します。そのため、2m以内の場合は、感染しやすくなります。

時間的にずらせたらいいのですが、現実的には難しいことが多く、パーテーションを使用することが多いと思います。

接触感染ということもあり、手洗い、消毒などの清拭も大切です。

もちろんマスクは必須ですね、

診断には迅速インフルエンザ検査になります。

以前は6時間経過しないと陽性にならないようなキットがありましたが、最近では3時間以内に要請になるという感度が高いキットが発売されています。

治療は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザすべてで使用可能ですが、タミフル、ラピアクタは容量調整が必要です。

耐性菌で問題となるのが、タミフル、ラピアクタ、最近ではゾフルーザですが、耐性インフルエンザが蔓延することは稀といわれています。

予防的投与に関する報告は少ないですが、過去には透析室でのアウトブレイクの際にタミフルを使用し、有効であったと報告されています。

これからインフルエンザの最盛期に入ります。

飛沫感染、接触感染を注意するだけでもだいぶ違います

うつらない、うつさないことを気にしていきましょう

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